2017-11-10

【技術系/Photoshop】大量比較明合成スクリプト(Photoshop用JSX)

三脚に据えてひたすら30分とか1時間とか連射した写真を比較明合成して作る星の軌跡。
1枚撮りでは星なんかまったく見えない都市夜景の写真でも、試しに合成すると結構な数の星が浮かび上がったりするものです。

ISO100, F8, 10秒露光を150枚撮影、Lightroomで全画像に同じ補正パラメータを適用した後、このページで紹介するJSXスクリプトで比較明合成しました。
これをなるべく高速に作るスクリプトを公開します。

【概要】

別記事で公開した加算平均合成のスクリプトと似たような原理です。
処理順路は次のようになっています。
  1. RAWファイルを1枚開く
  2. レイヤーの種類を比較(明)に変更
  3. 次の画像を開きレイヤーとしてインポート
  4. インポートしたレイヤーの種類を比較(明)に変更してレイヤー統合
  5. すべての画像を処理するまで手順3,4を繰り返し
1枚開いて合成、レイヤーを統合して次の画像を開く…という手順を繰り返すのでどれだけ膨大な画像を合成してもメモリ使用量が変わりません。
LigtroomでRAWを100枚選んで右クリック→Photoshopでレイヤーとして開くなんてやったらレイヤー開くだけで大変な時間がかかります。いったんtiff化してPs側で処理するにしてもtiffを吐く時間も相当なものです。Lr調整を適用したRAWをPsで読み込んで一枚ずつ処理するのが一番理想的と思うので、それをスクリプトで自動化しました。

【使い方】

スクリプト本体はこちら:加算平均.jsx
Google Docsで開くと思いますがダウンロードして保存してください。
  1. Lightroomで合成したい画像に基本補正を適用。Lrの操作はここまで。
  2. Psを起動し、[ファイル]-[スクリプト]-[参照]からダウンロードしたスクリプトを読み込む
  3. ファイル選択ダイアログが表示されるので合成したい複数の画像を選択(tiffやpsdではなく各社のrawを選択出来ます)
  4. 合成が始まります。1枚処理したところで進捗状況と残り時間(予想)がダイアログに表示されます。

【注意事項:XMPファイルが必要】

このスクリプトはLightroomの調整結果をRAWと同じフォルダにあるXMPファイルから読み取っています。
したがってPhotoshop上でLr調整を再現するには、XMPファイルが作成済でなければなりません。
Lightroomのカタログ設定で「変更点をXMPに自動的に書き込む」をONにしておくか、XMPの出力を手動で実行してください。XMPファイルがないとLr調整結果が反映されないまま合成されてしまいます。